2015年04月27日
そして父になる
一年半位ずっーと観たいと思ってた
是枝裕和監督の『そして父になる』。
http://soshitechichininaru.gaga.ne.jp
「そして、自分は父になれるのだろうか」
中盤頃からでしょうか、
クエスチョンマークがタンポポの種のように
ふわふわと頭の中を漂い始めました。
リリー・フランキー演じる雄大と自分を重ねたいのに
福山の演じる良多の方がどうしても近しく思えるのはなぜ?
父以前にそもそも夫になりきれてない・・・。
それどころかー、
大人にさえなりきれてなーーーい!
そして自分は、生まれてきてから
何十年も世間をふわふわ漂っている。
ああ、このまま永遠にさまよいつづけて
無間地獄に堕ちていくのでしょうか・・・。
まあ、個人的なストーリーはそれは
それで楽しめばいいとして、
もっと、普遍的な話。
父親はある時、ある条件を満たすことで
父にな(れ)るというのはなんとなく頷けるとして、
女性にも同じことがあてはまるのだろうかということ。
そもそも女性は子を産んだ時点で、
いや、子を宿した時点で「自動的」に母になる。
ひょっとしたら、女として生まれてきた時点で
女性はすでに母なのかもしれない。
そういえば、女性と男性とでは
他人との距離が違うのかもしれない。
だから、女の人の方が、見ず知らずの人に
優しくできるのでしょう。
だから、女の人の方が、他人のことが
他人事ですませられないのでしょう。
種をまくだけの男とは
大きなところでたぶん違っているのでしょう。
そういえば男って、血の繋がりとか
趣味とか、政治的立場とか、「共通項」に
頼りすぎているような、いないような。
言い換えれば民族とか、宗教とか、境遇とか、
そういう違いに寛容ではないのでしょう。
男がもっと女性的になれば、
この世はいまより少し穏やかになるのだろうか。
そういうことを考えさせてくれるから、
是枝さんの映画はやめられません。
そして『空気人形』もオススメです。
http://semitropic.ti-da.net/e3054930.html
Posted by 楽しい亜熱帯 at 11:45│Comments(0)
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