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2011年08月11日

まだ見ぬ君への手紙〜35歳の原点 #11

身辺整理をしていたら、琉球新報に掲載されていた7年前の「落ち穂」が出てきたので読み返してみた。幾分センチメンタルなきらいがあるこのエッセーは、内地からの移住者の目に映る沖縄の魅力や将来自分のこどもや孫たちに言っておきたいことが書かれているようで、習い事と直接的な接点はないものの、つながるところもあるように思えるので少し紹介させていただきます。
東京周辺でのサラリーマン生活を経て沖縄にやってきた著者はこのとき30代の半ばだったように記憶しています。
11回目は3.11を予言していたかのような話。原文のまま引用させていただきます。



まだ見ぬ君への手紙〜35歳の原点 #11



「まだ見ぬ君への手紙」

 この手紙を君が読む時、おじいちゃんはこの世にいないだろう。おじいちゃんの身体は環境ホルモンやいろんな化
学物質を貯えているはずだから。自業自得っていうやつだ。時代の恩恵に預かる人間は、その時代の毒をも食らわなく
てはならないんだよ。

 うりずんの頃、やんばるの森に流れる川の上には油桐の白い花が浮かんでいるだろうか?うみがめは卵を産みに浜
辺にやって来ているだろうか?渡り鳥は餌をついばみに野や海に降りているだろうか?

 君が学校にあがる頃にはもう、役にたたない受験勉強なんてないだろう。学歴なんて言葉もないかも知れない。で
も、こどもにも辛い時はあるし、大人になったら違う種類の辛さが待ち受けているだろう。だから、時間を見つけて
山を歩きなさい。海で遊びなさい。野原が残っていたら泥にまみれなさい。辛い時なら自然が君を慰めてくれるだろ
う。元気な時には君の生きる力を何倍にもしてくれるだろう。自然の光はエネルギーに満ちている。自然が君を友人
として迎えてくれるなら、将来、君が生きる希望を失ったとしても、君をこの世につなぎとめてくれるだろう。
「友情は喜びを二倍にし、悲しみを半分にする」。君の曾おばあちゃんが好きだった言葉だ。

 そして、自分と違う人と友だちになって、その人たちを大切にして欲しい。考え方の違う人、身体や心の働きが違
う人は君の想像力を豊かにしてくれるだろう。宗教や国籍の違う人は君に多様性を受け入れる力を与えてくれるだろ
う。多様性は人と自然にとって、水と同じくらい重要なものだ。もうすぐ日本人がイラクの人を大勢殺すかもしない
し、大勢殺されるも知れない。君の時代がそうあって欲しくない。近所のおばあさんと仲良くしなさい。そして昔の話
を聞きなさい。そうすれば、常識が絶対でないことを学ぶだろう。文化が何かを知るだろう。過去を理解するだろう。

 いろんな人や自然と関わることで、君は感謝を学ぶだろう。神様が君の世界のそこここにいることを知るだろう。
太陽と月が、光と闇がともに必要な理由がわかるはずだ。感謝は善と悪を越えた世界に君を導くだろう。






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Posted by 楽しい亜熱帯 at 06:48│Comments(0)35歳の原点
 
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